マルチバースバトル

2024/09/23 17:50
マルチバースバトル
Dream piece
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“神”の創造によって、世界は際限なく増え続けていた。

しかし、その創造は代償を伴っていた。 世界がひとつ増えるごとに、人々の魂は分割され、存続そのものが危うくなり始めていたのだ。

その状況を危惧した神の従者――“希望の従者”は告げる。 世界をひとつにするための選別として、“魂の戦い”を行うべきだと。

魂の戦いは文字通りに魂での戦いだ。 身体から解き放たれた魂は、不思議な力を扱えるようになる。 それは“魂力”と呼ばれ、特殊な力を発揮し、肉体を凌駕する身体能力をもたらす。

魂の戦いでは、無作為に選ばれた二つの世界が、その力を用いて激突する。 敗れた世界は消滅し、そこに生きた魂は勝者へと融合される。 融合は力を与えると同時に、記憶も価値観も少しずつ混ざり合い、やがて人を変えていく。

“終の世界”に生きる湊も、その戦いの渦に巻き込まれていく。 彼と幼馴染の結菜は、まるで子供のまま大人になったかのような存在だった。 だが、魂の融合が進むたびに、彼女は少しずつ“元の世界の結菜”へと近づいていく。 それは湊自身も同じだった。彼も次第に“元の世界の自分”へと変わりゆく。

魂の戦いで姿を現す三人の従者。希望、破壊、慈愛。 神託に従う者。力で全てをねじ伏せる者。無垢な心で導きを与える者。 彼らは神の従者として、湊と結菜の前に現れ、迷わせ、試し、選択を迫る存在となる。

重なっていく記憶。強まっていく魂力。揺らいでいく人間性。 魂の融合で、変わりゆく中で、湊の胸には葛藤が芽生える。過去に縛られるのか、それとも変化を受け入れて未来へと踏み出すのか。

世界がひとつに統合された先に待つのは、救いか、それとも新たな悪夢か。 湊の世界は生き残れるのか。本当に“世界はひとつに戻ること”が正しいのか。

並行世界をめぐる壮大な戦いは、静かな日常の縁から、いま始まろうとしている。

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