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満足の星

 この星にはおれ以外の人間は存在しなかった。
 おれは山奥にある自分の家で、呆けていた。おれがやるべき事は、全てロボットがやってくれてしまうため、何もする事が無いのだ。
 一台のロボットがおれの部屋に入ってきた。周りには人間は存在しないが、ロボットは居た。
 別に人間とロボットが戦争したと言う、ありふれた理由で人が滅びたわけではない。彼らは人間に戦意を持つ事ができない体質なのだ。
 どうやら、ロボットは朝食を持ってきてくれたようである。ただ、朝食といっても、本日、二度目のために、この表現は正しくは無いかもしれない。別の食事用のロボットが既に用意してくれたのだ。
 別におれが極端に大食いだと言う訳ではない。現におれは食欲が湧いているわけではない。どちらかと言えば、満腹といっても差し支えないだろう。
 ただ、注文の時に業者が間違えて、食事用のロボットを二台持ってきてしまったというだけだ。
 それならば、一台を手放すか、食わなければいいと思うかもしれないが、そうも行かないのだ。
「わー、おいしそうだな〜」
 おれは心とは裏腹の言葉をロボットに投げかける。不満を言ってはいけない。その様子を見せてもならない。それを見せた瞬間におれの死は確実だ。
 別にロボットが腹を立てて襲ってくるという物ではない。
 彼らは人間に不満を持つと感じたら、自らを不要と思い、自爆するという不良が存在したのだ。動力が原子力なために自爆などされたら、堪ったものではない。
 自爆する引き金はそれだけではない。ロボットを捨てようとしたり、機能停止を目論んでも、自らを不要と感じ、自爆するのだ。
 世界中に爆発的に売れてしまったロボットは、一週間にして地球を地獄に変えた。
 おれが生き残れたのは、山奥での生活をしていた事と、ロボットの馴らし方が異常に上手かったためだろう。
 おれが朝食を取っていると、新しいロボットが部屋に入ってきて、突然、転んだ。 
 おれはそれを無視し、朝食を取る事にしたが、ロボットが悲しい表情をして、こっちを見ているのを気付き、ハッとする。
 転んだロボットは人間に笑いを提供する役目を持っていた事を思い出したのだ。朝のために思考能力が低下していたのかもしれない。
「自爆する…」
 ただ、おれは自爆の恐怖よりも、何だか自分が生きていても仕方が無い存在に思えてきた。
 その時に、おれの記憶にある事が浮かんでくる。
 落ちていた新聞で、不良に気付いた一週間の間に、ロボットを満足させる、人間に類似したロボットの起動実験を山奥で行なっている記事を見た事があったのだ。
 おれはすぐに死を決意し、それを心で強く思う。
 すると、おれの体と笑いの役目を持ったロボットの体が突然爆発した。結局、不良に気付いて、完成されたロボットにも不良が残っていたようだ。

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