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病人

私は白い壁に囲まれていた。
風邪気味だった、私は病院に来たのだが、問診されただけで、入院させられてしまったのだ。
しかも、その問診で聞かれた事といえば、名前と職業だけである。
不思議な病院ではあったが、病室自体は悪いものではない。病室にトイレが付いていれば、テレビも付いており、まるでホテルの一室である。
高い職業の人物には、良い環境が用意されるものなのである。
しかし、そんな豪勢な部屋を用意してくれた病院にも不満があった。私を診に来た医者達が、全員、顔色が優れなかったのである。
それに、彼らは私を診察するわけではなく、ただ、挨拶に来ただけだったのである。
少しすると、男の医者が入室してくる。彼は最初に私の前に訪れた医者だ。
彼は私の目の前まで来ると、ベッドの横にあった椅子に腰掛ける。
「それでは、そろそろお願いします」
突如、医者は訳の分からないことを言い出したかと思うと、服を捲り、自分の腹を見せてくる。
どうやら、ここは患者が医者を迎えいれる、一般と正反対の病院のようなのである。
よく思い返せば、病院の看板に、病人と書いてあったような気がした。
医者などと、嘘をついて、見栄を張るのではなかった…。

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